2003/05/03(土) 23:02 - 40期 組 しら (女)
毎年、この時期、イースターの翌週の月曜日はゼクセロイテン「6時の鐘」と呼ばれるチューリッヒ市の祝祭日。この日はギルド(中世ヨーロッパの都市で形成された商人や職人の自治団体の総称)と呼ばれる人々が中世の衣装を着て、街の中心を練り歩く春のお祭り。
鍛冶屋さんや魚屋さん、パン屋さんなどの商人のグループが音楽を奏でたり、馬や馬車に乗ったり、歩いたりして行進します。色とりどりの民族衣装を身に纏った女の人や子供達が、手に手に花束を抱え、道端の見物人に配ったり、又は逆に受け取ったりしている。時には、ワインを見物人に試飲させている光景も。
14世紀から続くこの行事、ギルド条例に定められた就業時間に由来しているそうです。 日が長くなる季節の職場の終業時刻を, 冬場の5時から6時に切り替わる知らせの鐘のなごり。 6時の(ゼクセ)鐘の音(ロイテン)。この最初に鳴らす6時の鐘が春の到来を告げる合図になったそうです。
華麗な衣装を見るのも楽しみの一つですが、この行列のハイライトは何と言っても、6時の鐘を合図に火あぶりにされる3mほどの張り子の雪だるま。行列と一緒に練り歩く雪だるまは、最後にはチューリッヒ湖を前にした大広場で、高く薪を積み上げられた上に据えられ火をつけられるのです。(これを見る時、何故か、 いつも魔女狩りを連想します。)
雪だるまの頭には火薬が仕掛けられていて、火をつけてから頭が爆発音を出し、吹っ飛ぶまでの時間の長短でこの夏の様子を占うもの。時間が短ければ短いほど、夏らしい夏になるようです。
大観衆が見守る中、6時の鐘の音と共に点火される 暗くて長い冬を象徴する雪だるま。炎が高く舞い上がると、クライマックスが近づき人々の歓声も上がります。 「雪だるま」は、まさに「火だるま」状態。
今年は、爆発までに5分45秒。20年ぶりの好タイム。今年の夏は長く、暑く、天気も良い日が続くようです。 春の到来を待ち望んでいる、いかにもスイス人(注 ・・チューリッヒだけの祝祭日です。)らしいお祭りです。
余談
犬のフン用にと、ビニール袋付きのごみ箱まで設置されているスイス、しかし馬の落し物には意外に寛大な様である。散歩中でも時々、乗馬中の人が通ったとおぼしき印が道のあちこちに。。。
この日、498頭もの馬が行列に加わり、「落とし物」の心配していたのは多分私だけなのだろう。