前述した桜の一種オオシマザクラについては、つい先日までなにも知らず、桜といえば、沖縄在来のカンヒザクラ(寒緋桜)のみと考えていたんだが、沖縄県有用植物研究会の専門家から、カンヒザクラ以外にも、例えばクメノサクラ(久米島産)があり、しかも、春三月に真っ白い花を咲かせて、しかも、しかも、ハラハラと潔く散るという特質があることを聞かされ、目の鱗がはらりと落ちた感がしたもんです。実は、日本列島にいま、数十、数百種類の桜が普及している中で、オオシマザクラなる珍種が日本古来の原種だということを聞き、またまた驚き、目の鱗がもう一枚ハラハラと散って行った感じ。このオオシマザクラから、ソメイヨシノとか、多くの名花が作出されていったというのです。で、そのオオシマザクラを沖縄にも導入して、開花させたプロがいて、いま、大量に繁殖させているという。咲く時期が面白い。カンヒザクラが早春(1~2月)に咲いて、集団自決のようにボテっと落ちるのに比べて、この桜は寒緋桜が散り終えて、そろそろ葉桜になる頃、三月に真っ白く咲いて、4月頃に一斉にハラハラと、潔く散るというから、これは、正に、戦前に詠われた「大和心」の神髄を表したものと、感じたものです。