沖縄県立首里高等学校:8期 掲示板

No.315 線上のメリークリスマス

2016/12/13(火) 00:53 - Gray moon ()
線上のメリークリスマス

「クリスマスイブまでに帰れるかなあ・・・」
日本最西端の地から若い兵士がつぶやいた
都会を離れてもう8日目になっていた


「お前の今までの生き様と運命の女神さまのさじかげん一つ・・・」
「イブまでに残り七つの島の調査を終えれるか・・・つまりは運しだいだな」
コカ・コーラを10セントで買ったことがある先輩の兵士が返した

10mm以上の雨が地上に3時間降れば、水分が邪魔をして測定値を狂わせる

4m以上の波がうねればフェリーは欠航し、特殊な装置を積んだ調査車両ともども次の島へは渡れない・・よって仕事ができない

更に、週に2便だけの小島へは、船待ちで船が出るまで何もすることがないから仕事ができない

運は雨、波、船便に大きく左右されるってこた

雨、波、船便をパズルのように組み合わせて、ターゲットを待つ
狩り(調査)ができない日は、酒を飲んで・・じーとその時を待つ

12月ともなると北成分の季節風が吹き荒れ、南成分の穏やかな晴れた風が吹くのは週に1,2日あればいいほう

「何でさあ・・こんな仕事を請け負ったの?」
730を知らない若い兵士が尋ねた

「ただ、ワクワクして面白そうだったからさ・・・誰もやりたがらないから金もいいし」

「早く都会に帰りたいって顔をしてるな、せっかく来たんだから、非日常の河の流れに身をまかせてみなよ」

「今日は最西端の島で、「どなん60度」を飲んで、風と波が味方ささえすれば週末には最南端の島へ移動し、幻の名酒「泡波」をその地で飲めるなんて、まるで映画じゃねえか?」

「与えられた生の時間は・・・楽しまなくっちゃ!運命の女神様に嫌われてしまう」

「人生は何が起きたって不思議がることはないさ、一分先の未来だって誰にもわからない」

昭和の酒場のウイスキーが似合う白髪の混じった先輩兵士が笑った

「どうも今日は・・・「どなん」飲みすぎたようだ、言葉が上のほうから舞い降りてしまった・・」

東京の地から3名、北九州の地から3名を含めた11名の男だけの集団
明日はどこにいて何をしているのか・・当たりか外れか
ギャンブルと一緒さ

では線上の戦場から一足早い  
「メリークリスマス」をあなたに

No.314 (スーマンボース)と「ゆどぅん」

2016/05/18(水) 20:56 - Grey Moon ()
(スーマンボース)と「ゆどぅん」


沖縄はどうも梅雨入りしたらしい

一昔前までは梅雨入りを宣言していましたが、最近はファジーな表現

梅雨のことを、沖縄本島では小満芒種(スーマンボース)

石垣島では「ゆどぅん」といいます



小満芒種(スーマンボース)二十四節季の小満と芒種にあたる頃をいい

  芒種 :太陽の黄経が 75°に達した日 (太陽暦の6月6日か7日) に始り
  
  夏至 (6月 21日か 22日) の前日までの約 15日間

  稲・麦など芒(のぎ)をもつ穀物の種をまく時期されている


つまり、小満(スーマン)で梅雨入りし、ボース(芒種)で梅雨明けとなります

合わせて小満芒種(スーマンボース)

なかなか愛嬌のある言葉だね



            (新暦で)
立夏 初候(19候)  5/ 6~ 5/10頃  蛙始めて鳴く
   
立夏 次候(20候)  5/11~ 5/15頃  みみず出ずる 
  
立夏 末候(21候)  5/16~ 5/20頃  筍生ず 
     
小満 初候(22候)  5/21~ 5/25頃  蚕起きて桑を食う
 
小満 次候(23候)  5/26~ 5/30頃  紅花栄う
     
小満 末候(24候)  5/31~ 6/ 5頃  麦秋至る
     
芒種 初候(25候)  6/ 6~ 6/10頃  蟷螂生ず
     
芒種 次候(26候)  6/11~ 6/15頃  腐草蛍となる
   
芒種 末候(27候)  6/16~ 6/20頃  梅の実黄ばむ 
  
夏至 初候(28候)  6/21~ 6/26頃  乃東枯る     



    
気象庁の1951年から2014年までの梅雨入り日の過去データを見ると

最も早い梅雨入りは、4月20日頃で

一番遅い梅雨入りが、6月4日頃でした

64年間の内訳を見ると、4月に梅雨入りしたのは5回

5月は59回、6月は1回と圧倒的に5月が多い

さらに、5月に梅雨入りした59回、

5月10日以前に梅雨入りした回数は34回と約60%を占めていました



?????


・・・何か・・・少し変でしょう?



時期がずれている、合わないのです?








私の仮説(直感です)

(スーマンボース)

元は大和で使われていたが、風化してしまい沖縄だけに残ってしまった



研究して立証できればいいのだけど・・・

夜遊びしたり酒を飲んだりしている方が楽しいからやらない





次は、「ゆどぅん」

言葉の意味は、渋滞するとか、よどむという意味の他にも「休む」という意味があるようです

では、何が「休む」のかって?


  ↓


(答え)


昴(すばる)です。「昴:おうし座の M45。プレアデス星団散開星団」

地球からの距離は 410光年。およそ 100程の星から成る星団で、秋から早春

にかけてよく見える星です

肉眼でも5~7個くらいの星が、小さな北斗七星のようにまとまって見えるようです


昴が休むって?どういうこと?

 ↓


(答え)


昴は、五月の半ば頃になると太陽に近い場所に見えるので、太陽が沈む頃に

同時に沈み、太陽が昇る頃太陽と一緒に昇ってきます

つまり、5~6月頃は昼間にしか空に昇らないのです。昼間では空には太陽が

があって明るく、星の姿は見えませんから、昔の人は昴が見えないこの間を

「昴」が休んでいると考えたのでしょう
 




計算した人がいる

 ↓


(計算条件)

昴が見えない条件として、日出没時に地平線からの高度角が10°以下であることとする




(計算結果)

新暦で5月10日~6月1日頃ということになります(見事に一致します)




「ゆどぅん」・・・これは先ほどの小満芒種(スーマンボース)とは違い、これは間違いなく八重山の地に


暮らしていた人間が実体験から創り出した言葉だと思います


ほんとうに言葉は不思議です





我々は日常ではなかなか夕方の星の位置など判りません

ましてや24時間明るい都会では見える星の数も限られてきますね

日常生活で星を眺めるという人はごく少数でしょう
 
辺りが暗くなって、畑仕事を終えて家路に向かう頃、西の空には間もなく沈

もうとする昴を見て、ああもうすぐ梅雨の時期だなと感じ

やがて、まだ薄暗い早朝に外へ出て、しばらく目にしなかった休んでいた昴の姿を東の空に見つけると間

もなく梅雨明けかと感じていたなんて

なかなか粋ですね



粋な言葉を創り出せる粋な人間になりたいもんだ・・・・






            出典;引用:internetから選別して引用











No.313 sweetbox -Everything's Gonna Be Alright-

2016/05/11(水) 20:39 - Dark Moon ()

G線上のアリアのメロディーが微かに聴こえている

今日のラジオで流れていた

自然に仕事の手が止まり聞き入ってしまった



G線上のアリア

その美しい音色に・・・Tina Harrisがラップで切なく語りかける




調べてみた

Édith Piafの「愛の賛歌」に詩が少し似ている



最近・・・齢を重ねて哀愁というものの正体が・・なんとなく解ってきたような気がしている






(さて問題)

G線上のアリアとは?

(答)
バイオリンには高い方から
E線(ミ)
A線(ラ)
D線(レ)
G線(ソ)
4本の弦が張られています

そのG線で演奏する=G線上ということです

アリアとは、オペラ・オラトリオ・カンタータ等で歌われる旋律的な魅力に富んだ独唱・ソロ曲です

1871年にドイツのヴァイオリニストのアウグスト・ヴイルヘルミが、

バッハのアリアを原曲にバイオリンのG線(バイオリンの四本の弦の一番低い音のG弦)だけで弾けるよう

に編曲したことで世の中に広く”G線上のアリア”として知られ親しまれる曲となりました

G線1本でこの曲を弾くその様子は名人芸のようだそうですが・・・



出典:Intenetより



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

sweetbox -Everything's Gonna Be Alright-


Everything’s gonna be alright

きっと・・大丈夫


Everything’s gonna be alright

すべてうまくいくわ


Who ever thought the sun would come craishing down

太陽が落ちていくなんて誰が考えたんだろう


My life in flames my tears complete the pain

私の命は燃え上がり、涙が苦しみをダメ押しする


We fear the end, the dark as deep as river bed

終わりが怖いの、河の底くらい深い暗闇が


My book of life incomplete without you here

私の伝記はあなたがいないと完成しない


Alone I sit and reminisce,sometimes

座って一人で想い出に浸ると、たまにね、


I miss your touch, your kiss, your smile

And mean while you know I never cry

あなたの感触、あなたのキス、あなたの笑顔が悲しくなる

でも私泣かないって、あなたは知ってるでしょ


Cus deep down inside you know our love will never ever die

わたしたちの愛は不滅だと、心の奥で解っているから


Everything’s gonna be alright

きっと・・大丈夫


Everything’s gonna be alright

すべてうまくいくわ


Everything’s gonna be alright

きっと・・大丈夫


Together we can take this one day at a time

この一日を二人で生きていける


Can you take my breth away?

私を驚かすことができる?


Can you give him life today?

今日、彼に命をあげれる?


Is everything gonna be okay?

すべてうまくいく?


I’ll be your strength, I’ll be here when you wake up

あなたの力になってあげる 

あなたが目を覚ましたとき、わたしはここにいる


Take your time and I’ll be here when you wake up

あせらなくていいよ、

あなたが目覚めるとき、私はそこにいるから


I never thought my heart would miss a single bead

私がこんなにドギマギするなんて、思いもしなかった


Caress your hands as I watch you while you sleep

眠るあなたを見つめ、そっと手を撫でてみる


So sweet, I weep as I search whithin

私はそっと泣きながら、心の中を探してみる


To find a cure, to bring you back again

癒される街を、あなたを取り戻す方法を


And the sun will rise open up your eyes

やがて太陽は昇り、あなたは目を覚ます


Surprise just a blink of an eye

私はその瞬き一つでびっくりしてしまうの


I tried, I tried to be positive

前向きになろうと、努力したのよ


You’re a fighter so fighter, wake up and live

あなたは闘う人でしょ?

なら闘って、起きて

そして生きて


Everything’s gonna be alright

きっと・・大丈夫


Everything’s gonna be okay

すべてうまくいくわ


Everything’s gonna be alright

きっと・・大丈夫


Together we can take this one day at a time

この一日を二人で生きていける


Can you take my breth away?

私を驚かすことができる?


Can you give him life today?

今日、彼に命をあげれる?


I’ll be your strength, I’ll be here when you wake up

あなたの力になってあげる 

あなたが目を覚ましたとき、わたしはここにいる


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫だから


I’d give my life to only see you breathe again

あなたが再び息をするのを見られるのなら、

この命も差し出すわ


Hand in hand as we walk on the white sands

手をとりあい、白い砂の上を歩けるのなら


To hear your voice, rejoice as you rise and say

起き上がったあなたの、喜んだ声が聞けたのなら


This is the day that I wake and pray, okay?

今日は待ち続け、祈る日


Today’s silence as time just moves on

今日は静寂の中、ただ時が流れていく


You can’t hear it thought, but I ‘m playing my favorite songs

あなたに聞こえなくても、私の大好きな曲を流すの


I miss you much, I wish you’d come back to me

あなたが恋しくてたまらない

戻ってきてくれたらいいのに


You see I’d wait a lifetime, cus you’re my destiny

一生待ってるわ

あなたは私の運命の人だから


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫


Everything’s gonna be okay

すべてうまくいくわ


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫


Together we can take this one day at a time

この一日を二人で生きていける


Can you take my breth away?

私を驚かすことができる?


Can you give him life today?

今日、彼に命をあげれる?


Is everything gonna be okay?

すべてうまくいく?


I’ll be your strength, I’ll be here when you wake up

あなたの力になってあげる 

あなたが目を覚ましたとき、わたしはここにいる


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫


Everything’s gonna be okay

すべてうまくいくわ


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫


Together we can take this one day at a time

この一日を二人で生きていける


Can you take my breth away?

私を驚かすことができる?


Can you give him life today?

今日、彼に命をあげれる?


Is everything gonna be okay?

すべてうまくいく?


I’ll be your strength, I’ll be here when you wake up alright

あなたの力になってあげる 

あなたが目を覚ましたとき、わたしはここにいるから


Everything’s gonna be alright

きっと大丈夫


Everything’s gonna be okay

すべてうまくいくわ









出典: you tube: shogouki1001taaazw より(※この人の翻訳がよかった)























No.312 鶴亀伝説?

2016/05/02(月) 10:36 - GRAY MOON ()
鶴亀伝説?  『御伽草子』浦嶋太郎


GW
連休を丸ごと貪る奴らが消えた週初めの平日のMONDAY

閑散としている社内

周期的にかかってくる電話・・・会話・・・コピー機の印刷音・・・

そういった騒音がまったくない

そのような静寂な時間と空間にしばらくいると、聖と俗との境界付近に導かれていく

いつもの流れだ・・・


物語の始まり




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 昔、丹後の国に浦嶋という者がおりましたが、その子に浦嶋太郎と申して、年のころ二十四五の男がありました。その男は、明け暮れ海の魚を捕って両親を養っていたのですが、ある日のこと、退屈しのぎに釣りをしようと思って出かけてゆきました。浦々、島々、入江入江と到らぬ所もないほどに、釣りをし、貝を拾い、海藻を刈りなどしましたが、その時に、ゑしまが磯という所で、亀を一匹釣り上げたのでした。
 

浦嶋太郎がこの亀に言うことに、
「おまえは、命あるものの中にも、『鶴は千年、亀は万年』と言われて長生きをするものなのだ。いまこの場で命を絶ってはかわいそうなので、おまえを助けるのだ。いつもこの恩を思い出すようにしろよ」
と言って、この亀を元の海に帰してやったのでした。
 こんなことがあって浦嶋太郎は、その日は暮れてから家に帰りました。
 また次の日のこと、浦の方へ出て釣りをしようと思い見渡しましたところ、はるかの海上に小船が一艘浮かんでいました。あやしく思い、たちどまって見ますと、美しい女がただ一人波に揺られて、しだいに近づいてくるや、太郎の立っているところに着きました。


 浦嶋太郎が申したことには、
「あなたはいかなる人でいらっしゃるゆえ、このような恐ろしい海上に、ただ一人船に乗っておいでになるのでしょうか」
と申しましたところ、女の言ったことには、
「そのことでございますが、ある所へ行こうと思い都合のよい船があったのでそれに乗りましたところ、折も折波風が荒くなって、人々が大勢海の中へはねとばされました。ところが、情け深い人があって、私をこの小船に乗せて放されました。私は悲しく思い、鬼の島へ行きはしないかと、小船の行く先もわからず不安に思っていたその時、たった今、あなたにお逢い致したのです。これはこの世だけではない前世からのご縁でございますよ。こんなことがありますから、虎や狼も人と出会うのを縁と思うのです」
と言って、さめざめと泣くのでした。


 浦嶋太郎も、さすがに岩や木のように感情のないものではないのでかわいそうに思い、船の綱を取って引き寄せました。
 そこで、女が申したことには、
「ああ、私を元の国へ送り返して下さいませ。見知らぬここで捨てられ申したなら、私はどこへ行き何になったらよいでしょう。あなたがお見捨てなさるなら、海上でもの思いをしていたのと同じことでございましょう」
とくり返しうったえ、さめざめと泣いたので、浦嶋太郎もかわいそうに思い、同じ船に乗り、沖の方へ漕ぎ出しました。
 その女の教えに従って、はるか十日あまりの船旅を送り、女の故郷へ着いたのでした。

 
さて、船から上がり、どのような所だろうと思って見回しますと、銀の塀をたてて、金の瓦を並べ、門をたてて、どのような天上の住まいも、これと較べてどうしてまさっていようかと思われるほどでした。この女のすみかについては言葉では言い表すこともできず、むしろ言うだけおろかというものです。
 

そうして、女の申したことには、
「一本の木陰に宿ったり、同じ流れの水をすくって飲んだりと、そんなちょっとしたこともすべて他生の縁(前世からの因縁)だと言いますよ。ましてや、はるかの波路をはるばるとお送り下さったことは、ひとえに前世からの縁でございますから、何の差し支えがありましょうか、私と夫婦の契りを結ばれて、ここで一緒に暮らしませんか」
と、こまやかに語りました。


 浦嶋太郎の申したことには、
「ともかくも仰せに従いましょう」
と申しました。
 そうして、偕老同穴の語らいも浅くなく、長恨歌にあるように「天にあらば比翼の鳥、地にあらば連理の枝とならん」と、互いにおしどりのように仲むつまじくとの契りも深く、日を送ったのでありました。

 さて女が申したことには、
「ここは龍宮城と申す所です。こちらには、四方に四季の草木を表しています。いらっしゃい、お見せいたしましょう」
と言って、太郎を連れて出ていきました。
 まず東の戸を開けて見ましたところ、春の景色と思われて、梅や桜が咲き乱れ、柳の糸も春風に、なびく霞の中からは、鶯の音も軒近くに聞こえ、いずれの木々の梢にも花が咲いています。
 

南の方を見てみると、夏の景色と思われて、春との間を隔てる垣根には、卯の花がまず咲いているのでしょう、池の蓮は露を含み、汀の涼しいさざなみには水鳥があまた遊んでいます。木々の梢も茂りあい、空に鳴き鳴く蝉の声、夕立の過ぎる雲間から、声立てて通るほととぎす、その鳴き声で夏だと知らせていました。
 

西は秋だと思われて、四方の梢も紅葉して、垣根のうちの白菊よ、霧立ちこめる野辺の果て、真萩の露をかき分けて、声も寂しい鹿の音に、ここは秋だと知られるのでした。
 さてまた北を眺めてみますと、冬の景色と思われて、四方の梢も冬枯れて、枯れ葉に降りた初霜よ、山々はただ純白の、雪に埋もれた谷の口に、心細くも立ちのぼる炭焼く竃の煙から、まごうことなき賤の業、これで冬だと知らせる景色でありました。
 
こうして、面白いことの数々に心を慰め、栄華を誇って毎日を過ごし、年月がたつうちに、三年になるのは程もないことでした。
 

浦嶋太郎が申したことには、
「私に三十日のお暇を下さい。ふるさとに父母を残してついちょっとと思って出てきたのに、三年を送ってしまいました。父母のことを気がかりに思いますので、お会い申して、今度は心残りなく戻って参りましょう」と申しましたところ

女がおっしゃったことには、
「この三年の間は、おしどりの夜具の中で来世までもとむつまじい契りをかわし、ほんの片時お見えにならない時でさえ、ああだろうかこうだろうかと気をもんでおりましたのに、今お別れしてしまったなら、またいつお逢い申すことができましょうか。夫婦は二世の縁と申しますから、たといこの世では夢まぼろしのようにはかない契りでありましても、きっと来世では一つの蓮の上に座れるようお生まれになって下さいませ」と言って、さめざめとお泣きになるのでした。
 

また女が申したことには、
「今は何を包み隠しましょうか。実は、私はこの龍宮城の亀なのでございますが、ゑしまが磯であなた様に命を助けられました。そのご恩にお報い申そうとして、このように夫婦となったのでございます。またこれは私の形見としてご覧くださいませ」
と言って、左の脇から美しい箱を一つ取り出し、
「決してこの箱をお開けなさいますな」
と言って、渡したのでした。
 
会者定離のならいで、会うものは必ず別れるとは知りながら、とどめることもできなくて、女はこのように歌を詠みました。

  日数へてかさねし夜半の旅衣たち別れつついつかきて見ん
  (これまで長い月日、衣を重ね夜を共にしてきましたが、旅の衣に着替えたあなたと今お別れしていつまたお逢いできるでしょうか)

 浦嶋の返歌、

  別れ行くうはの空なるから衣ちぎり深くは又もきて見ん
  (別れて行く私は、心も落ち着かずうわの空で旅衣に着替えましたが、二人のちぎりが深かったらまたやって来てお逢いできるでしょう)

 さて浦嶋太郎は、互いに名残を惜しみながらも、こうしていつまでもいるべきことではないから、形見の箱を手に持って、ふるさとへ帰っていったのでした。忘れもできないこれまでのこと、この先のことなどあれこれ思い続けて、はるかの波路を帰るというわけで、浦嶋太郎はこのように歌を詠みました

  かりそめに契りし人のおもかげを忘れもやらぬ身をいかがせん
  (かりそめにちぎりを結んだあの姫のおもかげを、どうしても忘れることのできぬわが身を、一体どうしたらよいだろう)

 さて、浦嶋太郎は、ふるさとへ帰り、見てみますと、人の往来は絶え果てて、虎の臥す野辺となってしまっていました。浦嶋はこの様子を見て、これはいかなることであろうと思い、ふとかたわらを見ますと、雑木で葺いた粗末な小家があったので、立ち寄って、
「ごめんください」
と言ったところ、家の中から八十ぐらいの翁が出てきて、
「どなたでございますか」
と申すので


浦嶋が申したことには、
「この所にいた浦嶋のゆくえはご存じありませんか」
と言ったところ、翁が申したことには、
「あなたはいかなる人でございますゆえ、浦嶋のゆくえをお尋ねになるのでしょう、不思議でございますよ。その浦嶋とかいう人がいたのは、もう七百年も以前のことと申し伝えております」
と申したので、太郎は大いに驚いて、これはいかなることかと思って、これまでのいきさつをありのままに語りましたところ、翁も不思議の思いをして涙を流し申したことには、
「あそこに見えている古い塚、古い石塔こそ、その人の墓所だと申し伝えております」
と言って、指をさして教えてくれました。
 

太郎は泣く泣く草も深く露もいっぱいに降りた野辺を分け、古い塚にお参りして、涙を流し、このように歌を詠みました。

  かりそめに出でにし跡を来て見れば虎ふす野辺となるぞ悲しき
  (ほんの一時と思い出てしまったその跡に戻ってきてみると、虎の住むような野辺となっているのが悲しいことだ)

 さて、浦嶋太郎は、一本の松の木陰に立ち寄り、呆然としてそこに座っていました。太郎が思うことには、亀が与えてくれた形見の箱は、決してお開けになるなと言われたけれど、今は持っていても何になろう、開けてみたいと思って、見ることになったのはまことに残念なことでありました。
 

この箱を開けてみますと、中から紫の煙が三すじ立ちのぼりました。これを見ると、二十四五の年齢もたちまちに変わり果ててしまったのでした。そうして、浦嶋は鶴になって、虚空に飛び上がりました。
 

そもそも、この浦嶋の年齢を、亀の計らいとして箱の中にたたみ入れてあったのでした。それでこそ、浦嶋は七百年の年齢を保っていたのです。開けて見るなと言われていたのを開けてしまったことこそ、どうしようもないことでした。

  君にあふ夜は浦嶋玉手箱あけてくやしきわが涙かな
  (あなたに逢う夜は、浦嶋の玉手箱を開けてくやしい思いをしたように、夜が明けるとくやしく思われ、私は涙がこぼれることだ)

と、歌にも詠まれております。

 命あるもの、どれもこれも情けを知らないということはありません。ましてや人間の身として、諺にあるように、恩を受けて恩を知らないのは、木や石に例えられています。情愛の深い夫婦は、現世と来世二世の契りと申しますが、まことにめったにないことでございますよ。


 浦嶋は鶴になって、蓬莱の山で遊んでおります。亀はその甲に「三せきのいわゐ」(未詳)をそなえ、万年を経たということであります。
 そういうわけで、、おめでたいことのたとえとしても鶴亀のことを申すのでございます。
 とにかく人には情けをもって接しなさい、情けのある人は行く末めでたいことになると申し伝えています。


 その後、浦嶋太郎は、丹後の国に浦嶋の明神としてあらわれ、生を受けたすべてのものの迷いを救い悟りにお導きになりました。亀もまた同じ所に神となってあらわれ、夫婦の明神とおなりなさいました。
 

めでたい先例でありました。



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出典: 芦田川康司 「お気に入りの古典3 『御伽草子』浦嶋太郎(「片掬」41号)

No.311 Carless Whisper

2016/02/17(水) 19:50 - Gray Moon ()
Carless Whisper (by George Michael)

I feel so unsure
A訳)不安がよぎる
B訳)不安でたまらない
C訳)よくわからないんだ
D訳)不安を感じるんだ


As I take your hand,and lead you to the dance floor
A訳)君の手をとりダンスに誘った
B訳)その手をとってダンスフロアーに連れて行くけど
C訳)君の手を握って・・ダンスフロアーに引っ張っていった
D訳)君の手をとりフロアーに向かうとき



As the music dies, somethung in your eyes
A訳)音楽が止んだ時・・君の瞳は
B訳)音楽が鳴り止んで・・その瞳を見つめていると
C訳)音楽が止むと同時に君の目に何かが浮かび
D訳)やがて音楽が止んで君の瞳の中に


Calls to mind the silver screen
And all its sad good-byes
A訳)悲しい別れの映画のシーンを僕に思い出させた
B訳)あの頃の出来事と辛かった別れの記憶が蘇る
C訳)劇場の銀幕に映る「さよなら」とだけ言うシーンを思い出させたんだ
D訳)映画のワンシーンが蘇る・・・悲しい別れの、あのシーンが


I’m never gonna dance again
A訳)もう二度とステップは踏めない
B訳)もう二度とあんな風には踊れない
C訳)もう二度と踊れないよ
D訳)もうダンスは踊れない




Guilty feet have got no rhythm
A訳)踊るたびに悔むだろう
B訳)罪の意識を背負ってたんじゃ心の底からリズムに乗って踊るなんて無理なんだ
C訳)後ろめたい足じゃリズムは刻めない
D訳)やましい心が・・・リズムを狂わせる


Though it’s easy to pretend
A訳)繕うことはたやすいけれど
B訳)フリもやればできるけど・・そんなことをしてみても
C訳)偽ることは簡単だけれど
D訳)取り繕うのはやさしいけれど


I know you’re not a fool
A訳)君は見抜くだろうね
B訳)誤魔化せるわけないよ
C訳)でも君も馬鹿じゃない 
D訳)君はそれほど馬鹿じゃない



I Should’ve known better than to cheat a friend
A訳) あきらめるべきなんだ・・誤魔化そうとするよりも
B訳)誤魔化せるわけないよ・・・友達を裏切るなんて馬鹿だった
C訳)もっとよく理解してから・・・友達に嘘をつくべきだった
D訳)友だちを騙してはいけないと・・・わかっていたけれど


and waste the chance that I’ve been given
A訳) 与えられたチャンスを捨ててしまったね
B訳)せっかくチャンスがあったのに・・だからこの先もう二度と
C訳)与えられたチャンスを無駄にしてしまったんだ
D訳)チャンスを無駄にしてはいけないと・・分かっていたけれど


so I’m never gonna dance again
A訳) 僕はもう踊れない
B訳)無邪気にダンスはできやしない
C訳)だから僕はもう踊れない
D訳)だからもう・・決して君とは踊らない

the way I danced with you-ooh…
A訳) 君と踊ったようには
B訳)あの頃一緒にそうしたようには
C訳)以前君と一緒に踊ったようには
D訳)前と同じようには踊れない


Time can never mend
A訳) 過ぎた時は取り戻せない
B訳)もう起こってしまったことをなかったことにはできないよ
C訳)もう元には戻れない
D訳)もう元には戻れない


the careless whispers of a good friend
A訳) 大切な人からの無神経な言葉は
B訳)お節介な友達が・・うっかり喋ってしまったから
C訳)・・・・・
D訳)親友がささやいた・・あのうかつな一言


to the herrt and mind, ignorance is kind
A訳) 胸がえぐられる思い・・知らない方が良かった
B訳)頭でも気持ちの上でも・・知らない方がいいこともある
C訳)気持でも頭でも知らぬが仏だったんだ
D訳)知らないうちが幸せなのさ


there’s no comfort in the truth
A訳) 現実を認めるのは辛いだけ
B訳)本当のことが分かったからって・・楽になるってもんじゃない
C訳)真実の中には・・優しさなんてなかった
D訳)知ってしまえば安らぎはない
  

pain is all you’ll find
A訳) 苦しみだけがある
B訳)それで傷つくだけなんだ
C訳)苦しみだけを見たんだね
D訳)苦しみだけが心に残る


I’m never gonna dance again
A訳) もうステップは踏めない
B訳)もう二度とあんなふうには踊れない
C訳)僕はもう踊れない
D訳)決して君とは踊れない


Guilty feet have got no rhythm
A訳)踊るたびに悔むだろう
B訳)やましい心がリズムを狂わせる
C訳)後ろめたい足じゃリズムは刻めない
D訳)罪の意識を背負ってたんじゃ


Though it’s easy to pretend
A訳)装うことはたやすいけれど
B訳)フリもやればできるけど・・そんなことをしてみても
C訳)偽ることは簡単だけれど
D訳)取り繕うのはやさしいけれど


I know you’re not a fool
A訳)君はすべてを見抜くだろう
B訳)誤魔化せるわけないよ
C訳)でも君も馬鹿じゃない 
D訳)君はそれほど馬鹿じゃない


I Should’ve known better than to cheat a friend
A訳) あきらめるべきなんだ・・誤魔化そうとするよりも
B訳)誤魔化せるわけないよ・・・友達を裏切るなんて馬鹿だった
C訳)もっとよく理解してから・・・友達に嘘をつくべきだった
D訳)友だちを騙してはいけないと・・・わかっていたけれど






and waste the chance that I’ve been given
A訳) 与えられたチャンスを捨ててしまったね
B訳)せっかくチャンスがあったのに・・だからこの先もう二度と
C訳)与えられたチャンスを無駄にしてしまったんだ
D訳)チャンスを無駄にしてはいけないと・・分かっていたけれど


so I’m never gonna dance again
A訳) 僕はもう踊れない
B訳)無邪気にダンスはできやしない
C訳)だから僕はもう踊れない
D訳)だからもう・・決して君とは踊らない


the way I danced with you-ooh…
A訳) 君と踊ったようには
B訳)あの頃一緒にそうしたようには
C訳)以前君と一緒に踊ったようには
D訳)前と同じようには踊れない


Never without your love
A訳) 決して君の愛無しでは
B訳)・・・・・
C訳)・・・・・
D訳)・・・・・



Tonight the music seems so loud
A訳) 今夜の音楽は耳障りだ
B訳)今夜は音楽がやけにうるさく響いてくる
C訳)今夜は音楽がとても耳障りだよ
D訳)今夜は音楽がやけに大きく響く







I wish that we could lose this crowd
A訳) 君とこの喧騒から逃れたい気分だ
B訳)この人混みに二人とも紛れ込んでしまいたい
C訳)この人ごみの中に紛れ込みたい・・・そう願うよ
D訳)二人でどこかに逃れたいけれど


Maybe it’s better this way
A訳) そう出来れば良いのだけど
B訳)きっとこれでいいんだよ
C訳)多分、これで良かったんだろうね
D訳)多分、ここにいるほうがいいのかもしれない


We’d hurt each other with the things
A訳) お互い傷付けあいそうだ
B訳)そうじゃなきゃ、お互い胸に溜まった思いをぶつけあって傷つくだけだ
C訳)お互いに
D訳)二人になればお互い傷つけあうだけだから


We’d want to say
A訳) 話し合っても
B訳)あのことがなかったら
C訳)言いたいことを言って傷つけあっていただろうし
D訳)・・・・・


We could have been so good together
A訳) もう元には戻れないのだろうか
B訳)ずっと仲良くやっていけたし
C訳)二人でとてもうまくやっていけるかもしれない
D訳)僕たちはきっとうまくやって行けたのに










We could have lived this dance forever
A訳) 永遠にダンスしていられると思った
B訳)いつまでもこのダンスを続けてられた
C訳)このダンスを永遠に続けられたかもしれない
D訳)ずっと一緒に踊って行けたのに・・


But now
A訳) きっともう
B訳)だけどもう今は
C訳)でも今は
D訳)でもこれから


Who’s gonna dance with me
A訳) 踊ってくれない
B訳)踊ってくれる相手はいない
C訳)誰と踊ればいいんだい?
D訳)誰と踊ったらいいんだ?


Please stay
A訳) 行かないで
B訳)だからどうか行かないでくれ
C訳)ここにいてくれよ
D訳)どうか行かないで


I’m never gonna dance again
A訳) もう二度とダンスはしない
B訳)もう二度とあんなふうには踊れない
C訳)僕はもう踊れない
D訳)決して君とは踊れない






guilty feet have got no rhythm
A訳)踊るたびに悔むだろう
B訳)やましい心がリズムを狂わせる
C訳)後ろめたい足じゃリズムは刻めない
D訳)罪の意識を背負ってたんじゃ


thougth it’s easy to pretend
A訳)装うことはたやすいけれど
B訳)フリもやればできるけど・・そんなことをしてみても
C訳)偽ることは簡単だけれど
D訳)取り繕うのはやさしいけれど


I know you’re not a fool
A訳)君はすべてを見抜くだろう
B訳)誤魔化せるわけないよ
C訳)でも君も馬鹿じゃない 
D訳)君はそれほど馬鹿じゃない


I Syould’ve known better than to cheat a friend
A訳) あきらめるべきなんだ・・誤魔化そうとするよりも
B訳)誤魔化せるわけないよ・・・友達を裏切るなんて馬鹿だった
C訳)もっとよく理解してから・・・友達に嘘をつくべきだった
D訳)友だちを騙してはいけないと・・・わかっていたけれど


And waste the chance that I’ve been given
A訳) 与えられたチャンスを捨ててしまったね
B訳)せっかくチャンスがあったのに・・だからこの先もう二度と
C訳)与えられたチャンスを無駄にしてしまったんだ
D訳)チャンスを無駄にしてはいけないと・・分かっていたけれど


so I’m never gonna dance again
A訳) 僕はもう踊れない
B訳)無邪気にダンスはできやしない
C訳)だから僕はもう踊れない
D訳)だからもう・・決して君とは踊らない



the way I danced with you –ooh…
A訳) 君と踊ったようには
B訳)あの頃一緒にそうしたようには
C訳)以前君と一緒に踊ったようには
D訳)前と同じようには踊れない


(Now that you’re gone…)
Now that you’re gone…
A訳) 君は去ってしまった
B訳)今そばに君はいない・・もうどこかへ行ってしまって、どこにも姿が見えないよ
C訳)もう君は行ってしまった
D訳)君は行ってしまった・・もうここにはいない・・




(Now that you’re gone…)
Was What I did’s so wrong-
so wrong?
A訳) 何がいけなかったんだろう?
B訳)僕がやってしまったことは・・そんなに酷いことだったのか?
C訳)そんなにいけなかったんだ・・
D訳)僕をひとり残して行ってしまった・・・
そんなに君を傷つけてしまったの?それほど悪いことだったの?


That you had, to leave me alone
A訳) 君が去ってしまうほどの間違いとは?
B訳)それで君を失って・・独りになってしまうほど
C訳)僕を一人にして・・行ってしまうほどに
D訳)・・・・・













・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(独り言)


いきなりサックスの音色が心に突き刺さる80年代のWhamの曲ですが・・

作詞はGeorge Michael17歳の時だというから驚きです

彼の感性で言葉をひとつ、またひとつ選びながらストーリーは創られていく

しかしながら、後日、当のGeorge Michaelはこの曲を評価していない
  
  ↓

「がっかりする。歌詞はかなり皮肉っぽく書いたし、しかもすごくいい歌詞というわけでもないのに、

この歌詞に共感する人がたくさんいる。拍子抜けする」
 
   ↓

 それは受け手の側も、それぞれの感性で言葉からイメージを膨らませストーリーを創り出していくから

(まったくちがう・・この4つの和訳のように)
 




 言葉だけでは真実はわからない・・足りないものなのさ・・・



















































































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